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『リールの子たちの運命』著:ジョーゼフ・ジェイコブズ☆フィングラの歌う美しき最後の歌♪

懸賞 2009年 10月 03日 懸賞

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★アイルランドのホワイト・フィールドの丘のリール王が、ジャグル王の里子であるオーレル・オブ・アランの三人の娘の長女オーヴと結婚した。そして二人には女の子と男の子の双子が生まれた。フィングラとイードである。さらに男の子が二人、フィアクラとコーンが生まれた。その時、妻オーヴは死ぬ。リールは嘆き悲しむが子供たちが愛しい。ジャグル王は、友情の絆が切れないようにとオーヴの妹オーファを妻として与えようと提案する。リールは同意し二人は結婚した。最初は四人の子供たちをかわいく名誉に思うオーファであったけれど、リールの溺愛ぶりに嫉妬の矢がオーファを貫き、彼女は子供たちを憎むようになる。殺そうとまでするが出来ず、ドルイドの魔法の杖で子供たちを湖の中に追いやり、四人を四羽の白鳥に変えてしまう。その子供たちは900年間アイルランドの湖と河を漂う運命となる。

三人の弟を両翼と胸でかばい、吹きすさぶ嵐の海を漂流するフィングラの姿は気高く美しい。しかも、北の湖から帰還すれど、愛する父はとうの昔にこの世にいない。900年の期間が来た。聖者に会いようやく人間の姿に戻ることが出来た。けれど、四人とも死間近い老人であった。このように悲哀に満ちたロマン。このお話は、ジョーゼフ・ジェイコブズの『ケルト妖精物語 2』の中の一つで、ケルト三大悲話の一つとされるという。上の挿絵は19世紀末の英国の挿絵画家ジョン・D・バトンによるもの。

さあ、聖者よ、われらに洗礼を。
われらの汚れを落としてくれ!
この日われらの墓見ゆ ―
フィアクラとコーンは両脇に、
わが膝には両腕で抱く、
わが美しき弟イードを

この最期の刻に歌うフィングラの歌は、私を花の涙へと誘う☆

by musiclove-a-gogo | 2009-10-03 12:36 | 音楽・映画・文学★美しい関係

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