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『あの胸にもういちど』(1967)監督:ジャック・カーディフ原作:アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ

懸賞 2005年 03月 18日 懸賞

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あの胸にもういちど:LA MOTOCYCLETTE
1967年 イギリス/フランス合作映画 
監督:ジャック・カーディフ 原作:アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ 『オートバイ』  音楽:レス・リード
出演:マリアンヌ・フェイスフル、アラン・ドロン、ロジャー・マットン、マリウス・ゴーリング、カトリーヌ・ジュールダン

★大好きなマリアンヌ・フェイスフルとアラン・ドロンの共演した1967年制作映画。原作はフランスの耽美派作家:アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの「オートバイ」。

可憐な少女、60年代ロンドンの華の様な存在だったマリアンヌは、ローリング・ストーンズと一緒に麻薬所持で逮捕、ミック・ジャガーとの恋愛~破綻(身篭もった子供も流産)、その後もドラッグ、アルコール、自殺未遂とスキャンダルの女王様の様に堕ちて行く...そんな時期に制作された作品で、この主人公レベッカ役は御本人と重なり合う部分も多い。平穏な生活を送る妻と、冷酷で魅惑的な恋人ダニエル(アラン・ドロン)の元へハーレーダヴィッドソンで走る、その二面性。黒革のレーシングスーツに着替えるシーンなど、ドキドキしたものだ。

美しい顔立ちと冷酷で神秘的な役のアラン・ドロンの存在も欠かせない。二人の全裸でのラブシーンは、当時は過激すぎるとカットされていたそうだ。幸いにも私が観た時はそのシーンも観る事が出来た。マンディアルグの原作をかなり好きな方は、きっとこの映画には何か不満が残るだろう。でも、この蔓延のお花が匂い立つ様なラブシーンは必見だと思う。原作では感じられない美しさを私は得る事が出来たのは、他でもない美しく虚ろなマリアンヌとアラン・ドロンというお二人だったからだと思う。個人的にこの頃のアラン・ドロンのニヒルな役柄が滅法好き。お二人共に何か翳りの様なものが漂い美しい容姿に影を落とす時期にも思える。そんなヒロインは死へと向かう。(マリアンヌはそこから這い上がって今も凛と健在なのは嬉しい限り。)

名作というよりもカルト作品と言われるものなのかも知れないけれど、ロジェ・ヴァディムの描くシュールさとも違った、哀愁を帯びた映像美は限りなく幻想的で綺麗だ。兎に角、嬉しいDVD化である!

by musiclove-a-gogo | 2005-03-18 11:37 | 音楽・映画・文学★美しい関係

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